2014年2月4日
投稿者:千坂校下自主防災会 at 15:04

石川県危機管理フォーラム(3)

【講演】 「土砂災害から命を守るために!」

     講師 池谷 浩 氏

     (政策研究大学院大学 特任教授)

池谷講師

 

【内容】

▧ 災害とは : 「異常な自然現象や人為的原因によって、人間の社会生活や人名に受ける被害」を言う。土砂災害を引き起こす誘因となるものには、豪雨、地震、火山噴火など誘因の発生が多発している。

▧ 石川県の土砂災害危険箇所数  ・土石流危険渓流=2002カ所 ・地すべり危険箇所=420カ所 ・がけ崩れ危険箇所=1841カ所 計 4263カ所 ・うち 警戒区域設定済み箇所 3320カ所(2013.10.31時点)

▧ 土砂災害とは :: 土砂の移動現象(たとえば 土石流、地すべり、がけ崩れ、火砕流、溶岩流、火山泥流など)によって生ずる災害のこと。

▧ 最近の主な自然災害には、・2010.10過去に例のない記録的大雨(奄美大島の豪雨被害) ・2011.1 300年ぶりのマグマ噴火(新熱岳=霧島山の火山噴火) ・2011.3 M9.0の超巨大地震(東日本大震災) 2011.9 広域、長時間の豪雨(台風12号災害) ・2012.7 九州北部豪雨災害(阿蘇地方の土砂災害)

▧ 土砂災害の特徴 1.現象の発生予測が困難 2.発生した現象の速度がはやい・・・発生してからの避難は困難、破壊力が大きい。 3.発生頻度がそれほど大きくないので、住民の間に『正常化の偏見』が生まれている。・・・自分のところだけは大丈夫。 4.災害情報がうまく伝わらない・・・停電など

▧ 平時の防災情報と防災意識 ▧

 ・ 土石流とはどのようなものなのかは1997年に隣町の鹿児島県の出水市で発生した土石流災害を知って、土石流が恐ろしいものと認識していた。また、集川なは「土石流危険渓流」という標識があり、アンケート回答者の半数は「土石流危険渓流」があることを知っていた。

 ・ しかしほとんどの人は自分のところで出水市と同じ土石流災害が起こると思っていなかった。むしろ別の地区の法が気になっていたところも伺える。

 ・ 住民は皆土石流の発生の危険性は考えていなかった。特に高台には土石流がくるとは全く考えていなかった。

 ・ 危険区域のマップは無し。防災訓練も特にしていなかった。 

▧ 対策方法 ▧ 

 ・ 行政の担当者の皆さんはもちろんのこと住民の皆さんにも『正常化の偏見』をなくしてもらうよう努力する。

 ・ 危ないところには行かない。

 ・ 自分の住んでいるところについて平時から土砂災害に対して安全かどうかを調べておく。

▧ まとめ ▧

 ・ 土砂災害は多様な原因、多様な現象そしてブラックボックスがある(予知予測困難)。=平時の対応が大切(知らせる努力と知る努力)。

 ・ 広域、同時多発など行政の対応に限界のある災害(住民の防災意識に期待)。=近くで楽しい避難(早めの避難)。

 ・ 専門性が強い現象だが専門家は少ない(住民の自助・共助が大切)。=何もしなければよかったと思う気持ち。

 

千坂校下町会連合会